リーダーシップ・組織文化

組織文化・リーダーシップ診断の結果が出た後、何をすべきか

組織文化・リーダーシップ診断後は、結果を読み、改善の優先順位と実行者を定め、再確認します。低い点数をすぐ課題とする前に、原因と文脈を解釈する過程を紹介します。
組織文化・リーダーシップ診断の結果が出た後、何をすべきか
ファン・ヨンフン博士
2026-10-12
ファン・ヨンフン博士
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2026-10-12
目次

診断後は、結果を読み、改善の優先順位と実行者を定め、行動に移し、再確認する過程が必要です。低い点数をすぐ改善課題とせず、原因と文脈を先に解釈することが大切です。

組織診断は、結果表を受け取った後が重要です

点数を確認し、原因を解釈し、変えることを一つか二つ選び、責任者を決め、行動を変えて再確認する過程までつなげます。

1結果を読む

点数だけでなく、どんな現象が起きているかを見る

→
2原因を解釈

ほかの設問・自由記述・組織の文脈を併せて見る

→
3優先順位

今回、実際に変える課題を1〜3個選ぶ

→
4行動を実行

誰が、いつ、何を変えるかを具体化

→
5再確認

数週間・数か月後に、実際の変化を再測定

組織文化サーベイやリーダーシップ診断が終わり、ダッシュボードとレポートができました。しかし、ここで行き詰まることがよくあります。低い項目は多く、HRは説明に追われ、リーダーは「何をすればよいですか?」と尋ねます。

最もよく聞くのは、「私は何をすればよいですか?」だと思います。改善課題を10個ほど渡すと、次回もほぼ変化がないことがあります。優れた担当者は「一つだけ選んで」と答えます。ただし一人で決めず、候補を2〜3個に絞り、メンバーに匿名で優先課題を選んでもらうことを勧めます。話すより選ぶほうが容易で、本人たちが選んだ課題は、リーダーだけで決めたものより続きやすいからです。

Teltaが複数の診断プロジェクトで見たボトルネック
データ収集よりも、結果を解釈し実行につなげる段階で、曖昧に終わるケースが多くありました。HRもリーダーも解釈の専門家ではなく、すべての組織に専門家を付けるには費用がかかります。

診断以上に難しいのは、結果を実際の行動に移すことです

Huebner & Zacher(2021)は、従業員サーベイ後の実行に関する系統的レビューで、 行動計画は重要である一方、現場では省略されがちと整理しています。特に、管理職が変革を主導できるよう、十分な支援と資源を提供することを提案しています。

Perceptyxの2025年State of Employee Listening調査では、行動計画の一定の方法がない組織で、エンゲージメントが改善した割合は、 28%にとどまりました。一方、管理職の計画と進捗確認を支援した組織は、 59%、従業員が実際の行動変化を感じた組織は、 69%で改善が見られました。

サーベイ後の行動によって、改善が観察された組織の割合は異なりました

Perceptyxが公開した、従業員の声を集めた後の実行に関する分析です。

一貫した行動計画がない組織
28%
管理職の行動計画と進捗確認を支援した組織
59%
従業員が実際の行動変化を感じた組織
69%

診断結果を実行に移す5つの手順

1. まず結果を読み、何が起きているかを理解します。

低い点数だけで原因がわかるわけではありません。「協働」の低さも、部署間の目標対立や、リーダーの共有の遅れかもしれません。全体平均だけでなく、組織間の違い・自由記述・ほかの設問との関係を読み、 なぜこの結果になったか、複数の仮説を立てることが先です。

2. 一度にすべてを直そうとせず、集中する課題を選びます。

改善項目は複数出ます。最低スコアから機械的に選ばず、事業と従業員への影響、実際の変更可能性、ほかの問題も改善する可能性を見て、1〜3個に絞るのが現実的です。

3. 実際に変えられる人を定めます。

制度や全社方針ならHR・経営陣が動く必要があります。会議・フィードバック・役割配分など、チーム内で変えられるなら、そのリーダーが中心になります。HRがすべて代行せず、 変更する権限を持つ人を、責任者に定めることが重要です。

4. 「コミュニケーション強化」ではなく、実際に変える行動を定めます。

行動計画は誰が読んでも、すべきことがわかる必要があります。「対話を強化」より、「毎週月曜、チームの優先順位と主要な決定理由を30分共有」のように、日程・行動・対象が見えるほうが実行しやすくなります。

5. 数週間・数か月後に、本当に変わったかを確認します。

すぐ全社調査を繰り返す必要はありません。変更項目が明確なら、関連設問だけの短い調査や、リーダーシップなら360度評価の一部設問で確認できます。大切なのは、 実施した事実より、実際の変化の確認ですです。

HRが方向を定め、現場のリーダーが変化を生みます

HRの最初の仕事は、結果を隠さず共有することです。Culture Ampは、結果を全社共有した企業では、次回の回答率が平均、 7%p 上がり、実行に対する認識も改善したと案内しています。結果と次の行動を説明すること自体が、「今回は実際に動く」という信号になります。

結果を広く共有した企業では、次回の回答率も高まりました

Culture Ampは、結果を組織全体に共有した企業で、次回の回答率が平均7ポイント上昇したと案内しています。

共有しなかった組織基準
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結果を広く共有した組織+7%p
HR現場のリーダー
診断設計・データ品質・分析支援チームの文脈の解釈・優先順位の合意
ベンチマーク・影響要因分析・ガイドの提供行動計画・チーム対話・実行
進捗確認・再測定の設計実行責任者として最後まで推進

低い項目を、すぐに改善課題にしないでください

低い点数は問題の可能性を示す信号で、原因そのものではありません。「協働」の低さも、目標対立・役割の曖昧さ・リーダー行動・システムの停滞のどれが原因かで、対応は変わります。 点数と影響要因、現場の文脈を併せて見るべき理由です。

営業と生産の「協働」がともに低いとします。点数だけなら、合同ワークショップや対話研修を考えるでしょう。しかし自由記述で「また納期の前倒し」「無理な約束をしてくる」が繰り返され、「部署間の目標が整合している」だけが低いなら、問題は関係ではなく、売上で評価される営業と、原価・不良率で評価される生産の目標対立です。研修当日は和やかでも、翌朝の納期会議で再び衝突します。最初の課題は、納期遵守率など両者が共に責任を持つ指標の設計です。

再測定は、大規模サーベイの再実施だけではありません

毎回、全体診断を繰り返す必要はありません。変えた行動に最も近い指標を、短い追加調査や主要設問で先に確認し、全体診断は適切な周期で行えます。

計画書の日程の最後が「経営陣への報告」なら、レポートは引き出しにしまわれがちです。共有後4週間以内にチーム課題を決める場、実行責任者、3か月後の短い確認まで、最初から組み込みましょう。

Teltaがレポート自動化と解釈支援を併せて作る理由

専門家の完全な代替ではなく、レポートの解釈で止まり、実行に進めない段階の費用を下げるためです。繰り返しの説明、項目間の関連の探索、次の質問の提案、行動案の下書きを支援すれば、HRとリーダーは早く現場の対話へ進めます。

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参考にした資料

  1. Huebner & Zacher (2021), Following Up on Employee Surveys — 従業員サーベイ後の実行に関する系統的レビュー。管理職の役割と資源支援の重要性を整理。 原文
  2. Perceptyx, State of Employee Listening 2025 — 行動計画の成熟度別に、エンゲージメントが改善した割合(28%・59%・69%)を比較。 原文
  3. Culture Amp, Survey Summary / Report Sharing — 結果共有後の回答率と、実行に対する認識の変化に関するベンチマーク。 原文

※数値と調査結果は、各機関が公開した原資料に基づいて整理しました。

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ファン・ヨンフン博士
ファン・ヨンフン博士
Telta 共同創業者・診断とコンサルティング統括
ソウル大学 博士(HR) 元・人事革新処 国家人材院 行政事務官 元HLグループ 人材開発院 責任マネージャー
能力体系・評価・組織文化診断の設計に取り組んできました。Teltaでは能力体系・ルーブリック・採点基準の設計と、診断の品質管理を担当しています。
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